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イラストに関する著作物について

企業との契約書でイラストについての著作権を譲渡するという契約が定められています。イラストのような著作物を創作した場合には、その契約により著作人格権も譲渡されたことになってしまうのでしょうか。
(未入力) さん
2023-11-16 09:20

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草苅 旬一 弁理士
まず質問に対してお答えすると、 著作権譲渡の合意をしたことをもって著作者人格権の譲渡をしたことにはなりません。 財産権である著作権と異なり、 著作者人格権は一身専属的権利であり譲渡が出来ないためです(59条)。 そのため、著作権を譲渡したとしても著作者人格権を譲渡したわけではないのですが、 各権利には以下の通り例外が存在します。 ①公表権(18条)は未公表著作物の著作権を譲渡した場合などのときには、公表の同意をしたものと推定されます(同条2項)。 ②指名表示権(19条)は、「著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき」に「公正な慣行に反しない限り」、氏名表示が省略可能で(同条3項)、また一定の場合には適用除外があります(同条4項)。 ③同一性保持権(20条)は「意に反する改変」を受けないとする権利であるため、「意に反」しない場合には当然適用がありません(1項)。また、一定の場合に適用除外があります(同条2項)。  また、おそらくこの点が一番お気になされているのではないかと思いますが、著作権に含まれる翻案権(27条)との関係について注意が必要です。 一般に契約で同一性保持権不行使の特約を設けることがよくあります。 このようにしておくことで、譲受人は安心して譲り受けた著作物への改変をすることができることとなります。この場合には、同一性保持権を行使できないことに注意が必要です。 簡単ではありますが以上のとおり、 著作権の譲渡によって著作者人格権は譲渡されたこととはならないものの、 各権利には一定の例外的な事由が存在する点ご注意いただきつつ、契約に臨んでいただければと思います。
2023-11-29 15:16
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