特許出願の過程で最も重要なステップの一つが、その新規性の確認です。
本記事では、特許の新規性とその重要性、先行技術調査の進め方、そして特許庁のデータベースの利用方法まで、特許出願における新規性を確認するために必要な項目
特許の新規性とは
特許出願の審査において最も重要な要素の一つが新規性です。新規性は、提出された特許出願が先行技術(既知の技術)と異なるかどうかを判断する基準です。新規性が認められない技術、つまりすでに公開されている技術に関しては、特許を取得することはできません。
特許とは
特許とは、新しい発明に対して国から与えられる権利です。この権利を持つことにより、発明者は一定期間、他人がその発明を許可なく製造、使用、販売することを禁じることができます。特許制度の目的は、発明を奨励し、技術的な進歩を促進することにあります。しかし、この権利を得るためには、発明が新規性を持ち、実用性があり、かつ進歩性がある必要があります。
特許の新規性が認められる基準
新規性の基準は、その発明が先行技術に存在しない、つまり発明が公に知られていないものであることを要求します。この判断は、出願日前に公開された文献、特許、製品、技術など、世界中のどの情報に基づいても行われます。例えば、特許出願された発明が過去に学術論文で公開されていた場合、その発明は新規性がないと判断される可能性があります。
新規性判断のプロセス
特許出願が提出されると、特許庁の審査官が新規性を含むいくつかの基準に基づいて審査を行います。新規性の判断では、審査官は先行技術調査を実施し、出願された発明が先行技術と重複しないかどうかを検討します。このプロセスには、特許データベース、学術誌、その他の公的な情報源が用いられます。新規性の評価が完了すると、発明が新規であると判断されれば、次のステップである進歩性の評価へと進みます。新規性がないと判断された場合、出願は拒絶される可能性があります。
なお、新規性について、特許法第29条第1項では、以下のように記載されています。
産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明
このように新規性を有しない発明は、特許を受けることができません。
新規性が認められないケース
特許出願における新規性は、その発明が以前に誰にも知られていない、完全に新しいものであることを意味します。しかし、特定の状況下では新規性が認められないケースが存在します。ここでは、新規性を損なう典型的な例をいくつか紹介します。
- 一般的に知られている技術
一般的に知られている、または公然と使用されている技術は、新規性が認められません。例えば、業界内で広く実践されている方法や、一般の人々が日常的に使用している製品に関連する技術は、その時点で公知のものと見なされ、特許を取得することはできません。これらは、新規性を欠くと判断されるため、特許出願が拒絶される可能性が高いです。
- 公開済みの特許出願
他の発明者によってすでに出願され、公開されている特許出願に記載されている技術も、新規性がないと見なされます。特許庁は、出願された発明が先行する公開特許出願と重複しないかを検討します。公開済みの特許出願に記載されている内容が自身の発明と類似している場合、新規性の要件を満たさないと判断されることがあります。
- 学術論文や技術書に記載されている技術
学術論文や技術書、その他の公的な文書に記載されている技術についても、新規性は認められません。これらの文献は、公開日以前から世界中でアクセス可能であり、公知の情報源として扱われます。したがって、これらの文献に記載されている技術を含む発明は、新規でないと見なされ、特許の対象とはなりません。
おさえておきたい「新規性喪失の例外」
日本の特許制度では、特許出願前に発明が公開された場合でも、新規性を保持できる例外規定があります。これは、発明者自らが公開した内容に対して、公開後1年以内に特許出願を行うことで適用されます。
この例外規定により、公開による新規性の喪失を避けることが可能になりますが、適用を受けるためには特定の手続き(証明書の提出等)が必要です(特許法第30条第2項)。この点は実際に新規性喪失の例外が適用されるかという点の判断が難しいため専門家である弁理士に相談することを強く推奨します。
特許の新規性を確認する方法
出願前に新規性があるかどうかを確認することは、無駄な出願を避け、時間とリソースを節約する上で非常に重要です。ここでは、新規性を確認するための一般的な方法について説明します。
- データベースを使って先行技術調査を行う
先行技術調査は、出願予定の発明が新規であるかどうかを判断するために不可欠です。この調査を行うことで、既に存在する技術や発明を発見し、出願が拒絶される可能性を減らすことができます。
この点、調査した結果は、新規性の有無を判断するのみならず、同じ分野の発明に関する情報のリストとしても活用ができるため、発明の進歩性や産業上の利用可能性を示すための資料としても役立ちます。
特許データベース、学術誌、業界報告書など、関連する情報源を特定し、調査する分野やキーワード、使用するデータベースなどを事前に決めたうえ、出願予定の発明に関連するキーワードで検索を行い、関連する文献や特許を収集します。
- 特許庁のデータベース利用方法
多くの国の特許庁は、オンラインで公開されている特許情報を提供しています。これらのデータベースを利用することで、世界中の特許情報を検索し、先行技術を調査することができます。
日本特許については以下の「J-PlatPat」を用いて検索ができます。まずはこちらからキーワードで検索をしてみてください。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

特許の新規性を確認する過程は、時間と労力を要する作業ですが、成功的な特許出願には欠かせません。適切な先行技術調査を行うことで、発明の価値を最大限に引き出し、保護の範囲を広げることができます。
新規性は特許出願において非常に重要な要素であり、出願前に徹底的な先行技術調査を行うことが推奨されます。一般に公知の技術、公開済みの特許出願に関連する技術、学術論文や技術書に記載されている技術は、新規性がないとみなされるため、特許を取得することは困難です。
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特許を含む「知的財産権」は、発明家や企業にとって非常に価値のある資産です。イノベーションを保護し、経済的利益を最大化するためには、特許の適切な理解と活用が不可欠です。一方で、特許は非常に複雑で専門性が高く、内容が高度であるため実際の出願や活用が難しい権利であることも事実です。特許調査や新規性判断においても同様です。
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