相談の詳細

論文と特許の関係

技術的な論文執筆や発表を検討している場合、特許を先に申請しないと公開情報になってしまい受理されないですか?
(未入力) さん
2023-09-22 17:43

タイムライン

無料
湯澤 亮 弁理士
結論から述べますと、条件によっては受理される(つまり新規性喪失を回避できる)可能性がありますが、先に特許出願をしてから論文発表等することが基本です。 1.新規性喪失の例外規定  一般に論文公表等で不特定多数の公衆に公開された技術は新規性を喪失するところ、特許法には「新規性喪失の例外」という例外規定があり、この利用が考えられます。  しかしながら、当該規定の適用には証拠集め等の煩雑な処理が必要であることや、そもそも第三者による技術模倣出願を阻止できない(新規性喪失で権利化は厳しいとは思いますが)という実務上の困難性が存在しており、推奨されません。 2.優先権主張出願  そこで、論文等で公表せねばならない場合には、特許出願書類としては不完全であっても先に出願だけして、当該出願日から1年以内に優先権主張出願を行う、という対応が実務上有効です。  優先権主張出願(以下「後願」)とは、先の出願(以下「先願」)の出願日の利益(新規性等)を確保したうえで、先願の内容をさらに充実させてから出願できる制度のことであり、是非ともこちらをご検討ください。
2023-09-23 22:50

関連相談

SaaSプロダクトと特許
弊社のSaaSプロダクトは、AIを活用してユーザーの日常生活の効率を上げるタスク管理ツールを提供しています。このツールには、ユーザーの習慣や行動に合わせて最適なタスクの提案を行う独自のアルゴリズムが組み込まれています。 ・当社が開発したAIによるタスク推薦のアルゴリズムは特許の対象として適切ですか?もし適切であれば、その取得プロセスとコストを教えてください。 ・既存の競合他社のSaaS製品と比較して、当社のアルゴリズムがどのような新規性や進歩性を持っているかの確認のための調査は可能でしょうか? ・当社のSaaSのユーザーインターフェースやデザインに関する著作権やデザイン権の登録は、保護の観点から必要ですか? ・投資家へのプレゼンテーションやデモの際に、未公開の情報を漏洩させないような非開示契約(NDA)のテンプレートやアドバイスはありますか? ・当社の製品に関する知的財産が海外での模倣や侵害から守られるための国際的な対策や手続きについて教えてください。
2023-09-20 22:05
類似特許への出願対策
出願しようと思っている自社技術と似た特許が既に出されていた場合、特許内のどこの箇所を既存特許と被らないようにすれば良いのでしょうか?
2023-09-21 11:26
競合特許の出願戦略について
他社の特許を参考にして、新技術特許を取得したい場合、既存特許からどの程度違いがあれば、新しい特許として認められるのでしょうか?
2023-09-22 20:21
オープンイノベーション戦略
自社所有している技術のオープンイノベーション化を検討している場合、どのような手順を取れば良いのでしょうか?公開した後、他社に特許を出されてしまい、オープン化しないなどはありえますか?
2023-09-22 22:26
においの商標について
米国では「におい」についても商標の取得できると聞いたことがありますが、日本でも「におい」の商標は取得できますか。
2023-10-17 00:56
ページの先頭へ戻る