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論文と特許の関係
技術的な論文執筆や発表を検討している場合、特許を先に申請しないと公開情報になってしまい受理されないですか?
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湯澤 亮
弁理士
結論から述べますと、条件によっては受理される(つまり新規性喪失を回避できる)可能性がありますが、先に特許出願をしてから論文発表等することが基本です。
1.新規性喪失の例外規定
一般に論文公表等で不特定多数の公衆に公開された技術は新規性を喪失するところ、特許法には「新規性喪失の例外」という例外規定があり、この利用が考えられます。
しかしながら、当該規定の適用には証拠集め等の煩雑な処理が必要であることや、そもそも第三者による技術模倣出願を阻止できない(新規性喪失で権利化は厳しいとは思いますが)という実務上の困難性が存在しており、推奨されません。
2.優先権主張出願
そこで、論文等で公表せねばならない場合には、特許出願書類としては不完全であっても先に出願だけして、当該出願日から1年以内に優先権主張出願を行う、という対応が実務上有効です。
優先権主張出願(以下「後願」)とは、先の出願(以下「先願」)の出願日の利益(新規性等)を確保したうえで、先願の内容をさらに充実させてから出願できる制度のことであり、是非ともこちらをご検討ください。
2023-09-23 22:50
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